これはドイツが作ったスカイラインGT-R!? BMW M3(E46)
「カーシェアDrive」第15回は、BMW M3。
M3はBMWを代表する3シリーズをベースに開発されたスポーツモデル。
生い立ちはあのスカイラインGT-Rとかなり似ている部分があり、どちらも当時の主力セダンをレース参戦のためにチューニングしたもので、まさに「羊の皮を被った狼」。
今回紹介するのは3代目・E46型の2001年モデル。
年式としてはR34型スカイラインGT-Rの時代で、寸法や車重はGT-Rとほぼ同等、そして4WDターボのGT-Rに対し、FRで自然吸気エンジンのM3は、よりダイレクトな運転感覚。そしてBMW自慢の直列6気筒エンジン「シルキー6」が奏でる快音を楽しむことができます。
フェラーリ・ポルシェとともにオーナーさんのお気に入りのM3
オーナーさんにとって、このM3は通算2台目の愛車とのことでしたが、最初の1台が早々に故障してしまったそうで、実質最初の愛車。
また、オーナーさんがM3の後から買い足した車には圧倒されます。なんとフェラーリF355、そしてポルシェボクスター(981型)もお持ちです。
F355は歴代フェラーリの中でも1・2を争う官能的なサウンドを奏でることで有名で、ボクスターも現行モデルはターボ化されてしまっているので、981型は自然吸気のボクサーサウンドをオープンで味わえる貴重な1台です。
この2台と比べても存在感があるのがE46型のM3。
自然吸気のシルキー6を搭載する最後のM3であり、「古き良きBMW」の最終進化型ということで、オーナーさんは大切に乗っているそうです。
「左ハンドルを心配する方は多いですが、初めての方もすぐ慣れます」
そんな魅力たっぷりのM3も、左ハンドルなので運転できるか不安な方も多いはず。
そこで、「左ハンドル初めての人でも大丈夫ですか?」と聞いてみると…。
「これまで初めての方もいらっしゃいましたけど、皆さんすぐに慣れるみたいで、無事に帰っていらっしゃいますよ」とのことでした。
僕も以前、左ハンドル車に乗っていたので分かりますが、案外すぐ慣れます。
ただ、右折待ちやトラックの追越しをする時、目の前に他の車がいると対向車線が死角になります。
また、右後方の死角も増えるので、首都高の合流時などはいつもより念入りに目視確認しておきましょう。
ちなみに、ウィンカーとワイパーのレバーが国産車とは左右逆になるので、こちらの方が間違えやすいです(笑)
絶好調のオートマで、楽ちんスポーティドライビング♪
左ハンドルでも安心して乗れるもう1つの理由は、この車がオートマ車だからです。
とはいっても、そこはBMWが手がけた本気のスポーツカー。モッサリしたトルコンATではありません。
F1の技術を元に開発されたセミAT「SMG2」を搭載しています。
セミATではクラッチがコンピューター制御になっているのですが、多くの車では街中をゆっくり走っているようなシチュエーションは苦手で、ギクシャクする車も多いです。ところが、このM3は高速でも街中でも実にスムーズ。
さらに、スポーツモードをオンにすると変速スピードが一気に早くなり、気分はF1ドライバー。
シフト操作を全て車に任せるオートモードもありますが、ぜひマニュアルモードにしてシフトレバーやパドルシフトでシフトチェンジを楽しんでみてください。
高級感と走りを両立させたチューニング
このM3はマフラー・車高調・ホイールが交換されており、見た目も走りもグレードアップしています。
一目でBMWと分かるスタイリングはそのままに、下げられた車高と19インチホイールによりグッと存在感が増しています。とても17年前の車とは思えません。
リアから見たときも、ハデさはないのに「何かが違う」と感じさせてくれるワイドフェンダーと迫力の4本出しマフラー。
これらはただ見た目のためのチューニングではなく、シルキー6を高回転まで回せばマフラーからは甲高い快音が鳴り響き、固められた足回りは高速道路でもしっかり地面を掴み、抜群の安定感を誇ります。
直6 3.2Lエンジンが発揮するパワーは実に343馬力。気持ちの良い音につられてアクセルを踏みすぎると、簡単にとんでもないスピードが出てしまいますので、くれぐれもスピードには注意してください(笑)
このM3にピッタリのドライブコースは、やっぱり箱根!
オーナーさんに、M3でのお気に入りドライブコースを聞いてみると、やっぱり箱根、との回答。
特に、小田原からターンパイクを上り、そこから芦ノ湖・箱根スカイラインを経て御殿場へ抜け、そこから東名高速で帰るルートがお好きだそう。
ハイパワー車なので、スピードを出し過ぎないように敢えてターンパイクは上りで走るそうです(笑)
このE46型M3は最近のスポーツカーと比較するとかなりコンパクトなので、芦ノ湖スカイラインのような少しタイトコーナーもあるワインディングでもまったく問題なし。
冒頭にも書いたとおり、スカイラインGT-Rにかなり近い存在の車なので、国産スポーツカー好きにもぜひ味わっていただきたいです。
それでは、次回も素敵な車でお会いしましょう!
<<ライター紹介>>
たかっか@55ドライブ
YouTubeチャンネルとブログで「55ドライブ」を運営。
https://www.youtube.com/c/55driveInfo
「ゆっくりでも楽しいドライブ」を追い求め、有名なドライブコースから酷道に至るまで、愛車のユーノスロードスターで全国各地を走り回り、動画や記事にして紹介しています。
物心ついた時から車好きだったのに、6年間のペーパードライバー歴も持ち合わせるという異色の車好き。