車歴60台のオーナーがカスタムした「作品」とまで呼称されるホンダS660
「カーシェアDrive」第12回は、ホンダS660。
S660は2015年に発売された軽スポーツカーで、エンジンが後ろにあるMRレイアウト、屋根を取り外せるタルガトップと、1991年に発売されたビートの再来と言われた車。
同時期に発売された現行マツダロードスターと共に国産スポーツカー人気を復活させた存在でもあり、街中で見かける機会も多いですが…今回のS660は特別な1台。
なんとこれまで60台もの車を所有されてきたオーナーさんが、「公道を走るレーシングカート」を目指して徹底的にセッティングを突き詰めたチューニングカーです。
アクセルを踏んだ瞬間、S660であることを忘れさせるド迫力!
僕は以前ノーマルのS660に乗ったことがあるのですが、こちらのS660はまったくの別物でした。
アクセルを踏み込んだ瞬間には加速が立ち上がり、迫力ある排気音と相まって、自分がS660に乗っていることを忘れさせます。
オーナーのタカさんは、「納車後、走り出した瞬間に排気音がダメだと思って…(笑)」と感じたそうで、マフラーをすでに2回交換して現在は手曲げのワンオフマフラーを装備、さらにはハイオク仕様のスポーツROMに交換されています。
これにより、約80馬力を発揮、サーキットでは200km/h出すことも可能で、迫力の排気音とレスポンスを兼ね備えています。
40km/hでも「コーナーでインに吸い込まれる」感覚を味わえる足回り
カート感覚を目指してセッティングされたという足回りも素晴しく、むしろ僕が乗るレンタルカートよりよっぽど楽に気持ちよく曲がります(笑)
僕自身、スピードを出さなくてもヒョイヒョイ曲がっていく車が大好きなので、その手の車はそれなりに乗ってきたつもりですが、このS660が一番「楽によく曲がる」車でした。
言葉にするのはヒジョ~に難しい部分なんですが、カーブ手前からハンドルを徐々に切りはじめ、カーブ入口で少し減速させると、スッと車が内側に吸い込まれていく感覚を味わえます。そこから少しアクセルに足を乗せると、その前輪の動きに追従して後輪が少し外側から押し出してくれる、いわゆる「アクセルで曲げる」という感覚も体感できます。
他の車でも、スピードを出して、大きなアクセル&ブレーキ操作をすればこの感覚を味わえますが、30~40kmのコーナリングでこんな感覚を味わったのは初めてです。僕が乗っているユーノスロードスターでもここまでは感じられません。
特に難しいテクニックを考えることもなく、楽にこの感覚を味わえる車はそうそうありません。
「良い具合に仕上がった作品なので、これから車を楽しみたい人に体験して欲しい」
迫力の排気音とパワー、楽で気持ちいいコーナリング、さらにはワンオフのエアロパーツでスタイリッシュにまとめられた、こだわりのS660。オーナーのタカさんは「作品」と表現されています。
驚くべきことに、タカさんこだわりのこのセッティングには30万円程度あればかなり近いところまで実現できるそうです。中古のS660をベースにすれば、若い方でもなんとか手が届く範囲。
なので、「これから車を楽しみたいという方が、『よくできた車の挙動』を味わうことで、今後自分好みの車を作り上げていくための基準点にして欲しい。」とおっしゃっていました。
さらに、「車はお金をかければいいってもんじゃありません。少ないお金で、効率良く、自分に合った楽しい車の作り方をアドバイスできるので、是非聞きに来て欲しいです。」とも。
たった5800円で完璧にセッティングされた車を味わえて、チューニングのアドバイスまでもらえます
オーナーのタカさんは、車歴60台というハンパではない経験をお持ちで、ポルシェやケーターハムといった本格スポーツカー、RE雨宮フルチューンのRX-7のような国産チューニングカーから、フォルクスワーゲンやS660のような大衆車まで、あらゆる車に乗られているので、大変車に詳しい方です(ちなみに、バイク・飛行機・船にも詳しいです)。
そんな方がセッティングを突き詰めたS660は、今どきの軽スポーツカーで手軽・簡単・安全なのに、完璧にセッティングされた車の走りを味わえます。
これほどの車を体験できて、さらにタカさんのお話を聞けてたったの5800円ですから、スポーツカー好き&その予備軍の皆さんには是非利用いただきたいですね。
それでは、次回も素敵な車でお会いしましょう!
<<ライター紹介>>
たかっか@55ドライブ
YouTubeチャンネルとブログで「55ドライブ」を運営。
https://www.youtube.com/c/55driveInfo
「ゆっくりでも楽しいドライブ」を追い求め、有名なドライブコースから酷道に至るまで、愛車のユーノスロードスターで全国各地を走り回り、動画や記事にして紹介しています。
物心ついた時から車好きだったのに、6年間のペーパードライバー歴も持ち合わせるという異色の車好き。